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自分の国は自分で守ります。新たな感染症、気候変動による自然災害や食料危機、厳しさを増す国際環境など、様々な危機を「想定外」とすることなく、経済、エネルギー、食料、防衛等を含めた広義の安全保障政策に万全を期し、国民と国土を守り抜きます。国民生活や産業に必要な物資が過度な外国依存とならないよう、「総合的経済安全保障法案」の成立をめざします。

1.防災・減災対策強化

1)防災インフラ整備と地方自治体の権限強化

毎年のように大規模な自然災害が発生し、多くの命が奪われていることから、「社会資本再生法(仮称)」を制定し、公共インフラの整備状況を早期に点検し、円滑な維持管理、老朽インフラの計画的更新を進め、安全性・防災性と効率の向上を実現します。また、激甚化する自然災害に対する「災害ゴミ対策」に早急に取り組みます。

2)防災インフラ整備

防災士等の防災人材育成、防災拠点となる施設のインフラ等の悉皆調査を国が関与し大規模計画的に行い、防災・減災に万全を期します。消防団等の既存組織との連携、非常用電源設備や公衆無線LAN設置、防災衛星電話設置等を進めます。防災士等の防災人材育成に努め、国主導で防災士の活用場面などのガイドラインを策定し、周知します。

また、災害等への対応を強化するため、衛星データやドローン技術を活用した各種情報やデータを自治体と早期に共有し、災害対応に活用できるように取り組むとともに、被害が起きてからの対処のみならず、予防的な施策にも積極的に取り組みます。企業や自治体などの事業継続計画の策定支援、帰宅困難者対策などを進めます。地区防災計画や個別避難計画の策定などを進めます。救援物資の物流を確保する施策や物資管理方法の計画に地方自治体と連携して取り組みます。

盛土規制法に基づく規制区域の指定等による災害発生の予防に努めます。

3)災害時のデマ情報対策

災害時においてSNS上で発生するデマ情報への対策に取り組みます。過去の災害でも発生したインプレッション稼ぎのデマ情報に対しても法整備も含め対策に取り組みます。

4)熱中症対策

公共施設、商業施設等の「クーリングシェルター」の指定促進と周知、熱中症警戒アラートのわかりやすい発信と高齢者等への周知、登下校や部活動等での予防対策を徹底します。

5)都市型災害ケースマネジメントの構築

タワーマンションの集積、大規模な地下鉄網、希薄な地域の繋がりなど大都市固有の課題に対しても対策を講じます。

6)災害対応の強化

災害等への対応力を強化するため、防災拠点となる学校等の公共施設へのエアコン、自家発電機・蓄電池、防災無線等の整備を行います。また、各種情報やデータを自治体と早期に共有し、災害対応に活用できるように取り組むとともに、被害が起きてからの対処のみならず、予防的な施策にも積極的に取り組みます。衛星インターネットの利活用を含め、防災DXを積極的に進めます。

7)ミッシングリンクの解消とリダンダントな(冗長性のある)物流網の整備

大規模災害時に物流・人流がスムーズに行われ避難や被災地支援が迅速に行われるよう、高規格道路のミッシングリンク解消や高速道路の二車線区間の解消、災害時に高速道路の代替となるリダンダントな(冗長性のある)国道網の高規格化を促進します。

8)水道・下水道管の耐震化

南海トラフ地震の被害が想定される中、耐久年数超の配管や未耐震化配管がある現状から、国の予算で上下水道管の耐震化を進めます。漏水による無駄や耐震化設備での利用者負担を軽減することで水道料金値上げも抑制できます。

9)国土柔軟化政策

温暖化による水害多発時代を踏まえ、ダムなど施設だけに頼らない、土地利用配慮や森林保全、避難態勢づくりを含む「流域治水」を国・自治体・企業・住民等が連携して進めると同時に、生物多様性を埋め込んだグリーンインフラを増やす国土柔軟化政策を進めます。

2.発災時の迅速な対応

1)プッシュ型支援

「命の口座」を登録し、災害や感染症まん延時などの際、必要な手当や給付金が申請不要で迅速かつ自動的に振り込まれる「プッシュ型支援」を実現します。

2)道路、河川、港湾、鉄道等の復旧

降雨のパターンが変化している中、道路や河川(水門インフラ等)、港湾、鉄道等の復旧については、確実にこれを行い、被災時には単に元に戻す原形復旧を行うだけでなく、事前防災や再度災害防止の観点を入れたものとします。また、道路などについて新たなミッシングリンク(寸断)が生じることがないようにします。とりわけ、近年多発する河川の氾濫に対処するため、重点的に河床掘削や河道掘削、しゅんせつを行います。また、鉄道等の復旧についても、公共交通の一翼を担っていることに鑑み、民間任せではなく、国の災害復旧事業としてしっかりと後押しをします。

3)被災者生活空間の迅速な確保

大震災等発災時には、旅館・ホテルなどの民間施設を借り上げた際の避難期間等を弾力的に運用します。みなし仮設住宅の充分な確保(広域での空き家住宅・賃貸住宅の借り上げ等による住宅確保)をより迅速に実施します。

4)災害復旧・復興支援税制の創設

被災地支援のボランティア活動を促進するため、自己負担分について税額控除を可能にします。また、近年、大きな災害が多発していることを踏まえ、生活再建をめざす被災者の税負担をできる限り減免するため、「災害損失控除」を創設します。

5)地域防災力の強化

地域防災や広報を担う消防団員、自主防災組織の処遇改善、防災資機材の整備を推進します。

6)被災地の復興

復興の加速のため、「災害弔慰金支給法改正案」、「東日本大震災復興特区法改正案」、「土地等処分円滑化法案」、支援金の要件緩和や増額を行う「被災者生活再建支援法改正案」を成立させます。

東日本大震災、能登半島地震等のこれまでの災害復興支援を継続します。激甚災害の適用地域については自治体による復興費の軽減を行います。被災地のコミュニティ、産業などの復興を支援します。また、被災家屋の公費解体の手続きの簡素化と迅速な対応をめざします。

「科学技術への投資」を行い、東北発・国際的科学研究都市として世界をリードしていきます。次世代の科学技術・産業・雇用・地域振興の土台づくりとするため、国際リニアコライダー(ILC)の早期誘致をめざします。

7)東京電力福島第一原子力発電所への対応

福島の復興・再生は今後とも最重要課題であり、「復興と廃炉の両立」に向け、東京電力福島第一原子力発電所の着実な廃炉、風評被害対策、適切な賠償等を進めるため、あらゆる政策手段を投入します。また、ALPS処理水の海洋放出については、安全性確保や風評払拭に向け必要な対策を進めます。こうした取り組みを通じ、被災地の復興と産業発展に向けて、東日本大震災によって残された多くの課題に全力で取り組みます。

3.「総合的な経済安全保障」の強化

食料、エネルギー、医薬品、医療機器、人材、文化等を含む「総合的な経済安全保障」政策を推進します。政府一体となった戦略を策定し、日本の課題解決に取り組みます。

1)国内調達の拡充

食料・エネルギー・医薬品・半導体等の国内調達を拡充します。基本的な生活物資や諸物資の海外依存をできる限り低減し、自立したサプライチェーン(供給網)によって富の海外流出を防ぎながら国と地方を守る「給料が上がる経済システム」を構築します。AIや次世代通信規格6G、ドローン、半導体や量子技術などは軍事転用可能な技術であることから、これらの技術の流出や、外国資本による技術保有企業(中小・中堅企業を含む)の買収を的確に把握、規制するため、必要な法整備を進めます。

❶国民の命と生活を守る医薬品や医療機器の安定供給確保

後発医薬品の安定供給を図るとともに、我が国における新薬創出を促進するため、中間年薬価改定を廃止し、経済成長率を踏まえた新たな薬価改定ルールを策定します。そのため、中央社会保険医療協議会の構成を見直し、医薬品関連業種の代表者を加えます。

また、革新的新薬へのアクセス確保とドラッグ(デバイス)ラグ・ドラッグロス改善のため、欧米と比較して相対的に低い新薬収載時の価格算定方式を見直すとともに、特許期間中の価格を維持する制度へと見直します。さらに、市場拡大再算定制度については、新たなエビデンスや使用実態、想定患者数等を踏まえた市販後のイノベーションを再評価できる仕組みへと見直し、とも連れルールは不合理かつ予見性を損なうことから廃止します。

安定供給の観点からは、供給不安に陥っている医薬品等について増産に向けた支援を行います。また、不採算に陥ることのない価格下支え制度、急激な物価高騰に対応できる制度を構築します。終わりの見えない供給不安に終止符を打つために、医療機関と医薬品卸売業の取引における商慣行を変革すべく医薬品流通改善を促進します。医薬品メーカーの生産・在庫・出荷状況等を一元管理するデータベースを構築します。

❷イノベーション創出環境の整備

優れた医薬品や医療機器を世界に先駆けて生み出すために、「社会課題(公的医療介護費、生産性損失)の解決につながるイノベーション」や「世界に先駆けて生み出されたイノベーション」、「医療の質の向上や医療の効率化に資するイノベーション」を積極的に評価します。また、世界をリードするイノベーションの多くがベンチャーやアカデミアから生み出されていることを踏まえ、世界中から投資、技術、人材を呼び込み、かつ多様な人材が力を発揮する雇用の場として機能する創薬エコシステム・イノベーション拠点を構築します。また、研究開発現場は、モダリティ(治療手段)の多様化、AIIoT技術の進展に伴い複雑化・高度化しており、多様な患者ニーズに応え、世界に先駆けてイノベーションを生み出すために、各種法規制が適正に機能しつつも、ボトルネックとなることのないよう、ハーモナイゼーションをさらに推進します。

質の高い効率的な医療の提供・医薬品や医療機器の研究開発の効率化を図るためには、健康医療データの利活用は不可欠であり、「仮名加工医療情報」の二次利用にかかる法整備や、臨床試験等に活用しうるデータの標準化と信頼性確保などを推進します。

フェムテック(女性の健康課題をテクノロジーで解決する製品やサービス)関連医療機器や医薬部外品の届出、認証が円滑に行われるよう改善します。

❸主体的・戦略的な経済外交

日本の「モノ」「サービス」を海外に広める取り組みを徹底して行います。特に鉄道や発電所、上下水道など、日本が誇るインフラ設備の輸出も官民共同で行い、日本の産業の振興と世界への貢献を両立させる取り組みを行います。また、対日投資促進やインバウンド需要拡大をめざし、外国法人との対話力強化や多言語での情報発信強化等に取り組みます。自由貿易協定については、自由貿易の重要性を踏まえつつ、自動車や農業分野など、日本の国益を守ることを最優先に位置付け、主体的・戦略的な経済外交を推進します。

❹セキュリティ・クリアランス

国や自治体などの公的機関や企業、大学などの民間機関における「セキュリティ・クリアランス(身元確認)制度」を強化します。

2)食料自給率50%を実現

❶農林水産業を守る

■「食料安全保障基礎支払」の創設

世界的な食料危機や気候変動への対応を広義の安全保障として位置付けるとともに、国土、水源、自然環境の保全など、農業の公共的・環境的役割を重視した農政を展開します。防災、水源涵養、自然環境の保全など農業・農地の多面的機能を重視した農政に転換します。農村の維持・活性化に重点を置きます。主要農産物、食料ごとの自給率目標を定める「食料自給基本計画」を策定し、食料自給率50%を実現します。

食料安全保障の強化のためには、国内の生産力を高めることが最重要であり、農業者の視点に立った「骨太の基本法」を制定します。その際、米の需給調整は国の責任で行うとともに、「営農継続可能な農業者の所得向上」を最優先に考え、適正な価格形成に向けた環境整備を消費者の理解を得ながら進めるとともに、「食料安全保障基礎支払」(含「環境加算」「防災・減災加算」)を導入します。農地が持つ炭素貯留機能によるCO2排出削減効果を炭素クレジットとして取引できるようにします。田畑などへの鳥獣被害対策、都市農業支援に取り組みます。種子法を復活させます。JAの准組合員規制には反対であり、地域に根差した「農」を支える人づくりを行います。

■水田活用直接支払交付金の要件見直し

水田活用直接支払交付金の「5年に一度の水張り」要件については離農と耕作放棄地が増える原因となり、食料安全保障にとってはマイナスであるため、地域事情に応じて柔軟に緩和します。

■兼業農家支援

これまで国の支援対象から外されてきた兼業農家や「半農半X」※を多様な農業人材として位置付け、地域の実態を踏まえて国による支援の対象とします。

※半農半X・・・都市から農村に移住し、別の仕事をしながら農業を営む取り組み

■学校給食のオーガニック化・国産化・食育活動の推進

学校給食のオーガニック化・国産化を進めます。学校給食について、農産物、水産物ともに地産地消を進めるとともに、有機農産物の利用を推進します。遺伝子組み換え食品も学校給食では使いません。栄養教諭の配置など食育活動の推進を図ります。

■ふるさとへの帰農支援

夫婦の一方が生まれ育ち、親の住んでいた故郷に帰農する場合、年最大250万円を給付する制度(「夫婦ふるさと帰農支援給付金」)を創設します。「農業次世代人材投資事業」を充実・強化し、農業後継者の就農を強化しつつ、過疎地の活性化を図ります。

■飼料の国産化

畜産用飼料の大部分を海外に依存し、国際需給に左右される現況を改善し、安定的な供給を図るため、飼料の国産化を推進します。

■地域資源のフル活用

地熱・中小水力・バイオマス・太陽光・風力等の地域資源を活用した農業を支援し、農村地域の所得増大をめざします。分散型のエネルギー産業活性化と農業振興をシンクロさせ、上述の食料安保とも絡めた「新・地方農業成長戦略」を立案します。

■林業の活性化・花粉症対策

戦後に造林した木材の多くが伐採期を迎えており、国産材の供給余力は増加している一方、未だ国産材利用率が低いのが現状です。農業用ハウスや畜舎、木質サッシの推進を含め住宅、公共建築物等への木材利用を加速させ、森林資源の有効活用により持続可能で地球温暖化防止に寄与する林業に転換し、国内林業を活性化させます。また、国民の約3割以上が罹患しているスギ花粉症の対策強化を図るため、スギ人工林の伐採・利用・植え替えの促進、花粉の少ない苗木の生産拡大、花粉飛散抑制技術の開発をさらに進めます。

■持続可能な水産業の発展

水産業を取り巻く環境は依然として厳しく、漁獲量の減少・海洋環境の変化・就業者の高齢化・担い手不足等が深刻です。一方で水産業の持続的な発展は、海洋国日本の安全保障上も極めて重要です。再生の為には、漁業者の収益性の向上が不可欠であり、漁業経営の安定化、漁村の維持、競争力強化、養殖業の支援強化、漁業施設の整備・漁港機能増進等に取り組みます。また、水産業に携わる労働環境改善のため、必要な法改正を行います。

ALPS処理水の海洋放出については、継続的なモニタリング、徹底した情報公開、国内外への説明を行うと同時に漁業者の事業継続を強力に支援し、風評被害対策に万全の取り組みを行います。中国の日本産水産物禁輸への対策として即時撤廃へ向けた外交努力とともに、国内消費の促進支援、新規輸出先の開拓、新たな輸出先のニーズに応じた加工体制の強化等に取り組みます。

改正漁業法については、制度の運用状況も含めて、浜の現場の声を聞き、真に必要な見直しに取り組みます。また近年、日本近海で度々発生する赤潮被害等に対する救済制度の拡充と、その発生メカニズムの解明・被害を防ぐ科学技術開発の推進に取り組みます。

■家畜伝染病の阻止

アフリカ豚熱(豚コレラ)など家畜伝染病の海外からの流入を水際で徹底阻止するため、検疫探知犬の配置の充実、許可のない肉製品等の持ち込み者に対する上陸拒否など、検疫体制を強化します。

❷消費者を守る

■消費者目線の食品表示制度

安全・安心な農産物・食品の提供体制を確立するため、原料原産地表示の対象を、原則として全ての加工食品に拡大するとともに、食品トレーサビリティの促進、食品添加物、遺伝子組み換え食品表示やアレルギー表示、ゲノム編集応用食品表示等、販売の多様化にあわせた表示内容、消費者目線の食品表示制度の実現を進めます。認可・認証基準について消費者サイドに立ち、厳格化します。

■機能性表示食品の安全性確保

機能性表示食品による健康被害について迅速な原因究明を行います。機能性表示食品における審査制度を見直し、安全性の確保を進めます。

■万引き犯罪防止対策の強化

万引きの抑止に向けて、実態の把握と対策の周知を行うとともに、被害届手続きの簡素化、罰金刑の厳格な運用等の必要な対策を講じます。

■循環型経済の確立

大量生産・大量消費・大量廃棄から脱し、サーキュラーエコノミー(循環型経済)へ対応した製品の製造や流通を促します。

■SDGsの推進

持続可能な世界を残すために、国際社会が2030年を目標として取り組む国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を推進します。「人間の安全保障」の理念に基づき、気候変動対策、クリーンエネルギーの推進、人権の保護、ジェンダー平等と女性・女児のエンパワーメント、包摂的で公正な社会の構築などに取り組みます。

■動物愛護

人と動物が幸せに暮らす社会を実現するため、犬猫の殺処分ゼロをめざします。アニマルウェルフェアの理念(5つの自由)に基づいた飼養管理の推進に取り組みます。動物を飼養・管理する者の責務の強化、動物取扱業者の責任の強化などに取り組みます。

■マイクロプラスチック対策

マイクロプラスチック問題の深刻化を踏まえ、国際的な取り組みを強化するとともに、生態系への影響を防止するための規制を導入します。ペットボトルやプラスチックなどのリサイクル・回収制度普及を進めマイクロプラスチック対策を加速化させます。

■悪質寄付の規制

カルト宗教などへの悪質な寄付勧誘を規制するため、「心理的支配利用罪新設法案」の成立をめざします。

■空き家対策を含む住宅政策

所有者不明土地の利活用制度を拡充します。スタートアップ企業や地域貢献が期待できる事業用に利活用できるように国の法制を整備します。所有者不明土地問題、犯罪利用の防止を含め、空き家対策を強化します。空き家の有効利活用を図るとともに、空き家取り壊し等地域の住環境整備事業のための財源確保特別地方債を創設します。土地家屋調査士・行政書士・司法書士等の関連士業と行政による対策プラットフォームを法制化します。

■中古住宅政策

「中古住宅高付加価値化法(仮称)」を制定します。建物状況調査(インスペクション)の普及支援など既存住宅の資産価値が適切に評価される体制をつくるなど不動産流通システムの透明化を進めることで、中古住宅の流通合理化・市場活性化を図ります。団地の世代循環、高齢者向け住宅の供給拡大を進めます。既存住宅の断熱改修の促進を含む省エネ化、住宅バリアフリー化、耐震化を進めます。

また、居住支援制度を充実し、高齢者や子育て世帯が安心安全な住まいを確保できるよう、住宅政策と福祉政策の連携強化を図ります。

■相続登記の申請義務化

相続手続きの申請義務の周知・相談体制の対応強化を図ります。

4.カーボン・ニュートラルの推進

1)地球温暖化対策

2050年カーボン・ニュートラル社会の実現や「パリ協定」の推進に向け、徹底した省エネルギーと、電源の低・脱炭素化や電化の推進、運輸部門における電動車の普及促進(インフラ整備を含む)、蓄電池やCO2フリーの水素・合成燃料(バイオジェット・e-fuel等)の開発・生産支援を行うなど、革新的なイノベーションとその社会実装を通じた大幅なCO2削減をめざします。

2)エネルギー安全保障

ロシアのウクライナ侵略や中東における紛争等により、我が国のエネルギー安全保障の確保が危惧される中、資源の少ない日本にとって、エネルギー自給率の向上などエネルギーを安全・安定・安価に確保することは極めて重要な課題です。電力システム改革は、

  1. 安定供給の確保、
  2. 電気料金の最大限の抑制、
  3. 需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大

を目的に開始されましたが、電力需給ひっ迫や新電力の撤退・倒産が相次ぐなど課題が顕在化しています。20164月に開始した電力小売り自由化は、いまだ規制料金が残されていることからも、全面自由化が国民や経済・社会にとって真に有益な施策となっているかの検証が必要です。こうしたことから、エネルギー安定供給の確保をはじめとするエネルギー安全保障を重視し、盤石なエネルギー供給体制を実現するため、安定供給の要である火力発電の高効率化、低炭素化、炭素貯留(CCS)を促進しつつ、再生可能エネルギーや原子力など他国依存度の低い電源を積極的に活用していきます。また、安定供給や災害等への迅速な対応を念頭に置きつつ電力システム改革を検証し、必要な見直しを行います。

3)分散型エネルギー社会

S+3Eを大前提に、共生・自立・分散型のエネルギーネットワークを構築し、再生可能エネルギーを中心としたマイクログリッドを含む自立・分散型エネルギー社会の構築をめざします。特に洋上風力、地熱の活用に注力するとともに、ジオエンジニアリングに取り組みます。地熱・中小水力・バイオマス・太陽光・風力等の各地域資源の有効活用や地域のエネルギー関連産業の発展等を通じて地方の可能性を引き出します。再エネ賦課金が増大し国民に大きな負担となっていることから、再エネ賦課金制度のあり方を検証し必要な見直しを行います。2030年代には電源構成比で再エネ比率が40%以上となるよう自治体等の関係者の合意を得つつ着実な取り組みを進めます。蓄電技術の開発向上や資源の安定確保に取り組み、将来的には蓄電システムを併設した太陽光発電システムによる電力コストを大幅に低減し得る自家消費型電源システムの普及促進を図ります。

4)原子力政策

脱炭素化を求める世界的な流れが加速する中、原子力は発電時にCO2を排出しないという観点から、カーボン・ニュートラルに大きく寄与します。加えて、エネルギー価格高騰が叫ばれる昨今において、原子力は資源価格の影響を受けにくく、出力が安定的であるという観点から、エネルギー安全保障にも大きく寄与します。以上のことから、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、安全確保を最優先としつつ、原子力を我が国の電力供給基盤における重要な選択肢と位置付け、当面の間は次の考え方に基づき原子力エネルギーを利用します。

  1. 40年運転制限制を基本としつつ、科学的・技術的根拠に基づいた運転制限を厳格に適用する。
  2. 法令に基づく安全基準を満たしたうえで避難計画を作成し、地元同意を得た原子力発電所は早期に稼働させる。
  3. カーボン・ニュートラル社会の実現に向けてあらゆる手段を確保・活用する。

原子力に関する規制機関の審査体制の充実・強化や審査プロセスの合理化・効率化等を図り、適合性審査の長期化を解消します。データセンターや半導体工場の新規建設による電力需要の大幅増加も見据え、将来に渡る電力の安定供給を実現する必要があります。そのため、次世代軽水炉や小型モジュール炉(SMR)、高速炉、浮体式原子力発電など次世代革新炉の開発・建設(リプレース・新増設を含む)、使用済燃料の処理・処分に関する革新的技術の研究開発、新たな発電・送電・蓄電技術や核融合技術の研究開発等を進め、経済安全保障の確保とカーボン・ニュートラルの両立を支える技術の確立、国内サプライチェーンの確保、国際競争力の強化、人材の維持・向上を図ります。

また、放射性廃棄物の処理や使用済燃料の再処理、原子力施設の廃止措置などのバックエンド対策については、国の責任において着実な前進を図るとともに、使用済燃料の処理・処分に関する革新的技術の研究開発を進めます。

また、原子力発電所など原子力施設への武力攻撃を想定し、自衛隊によるミサイル迎撃態勢や部隊の配備などを可能とする法整備を行います。

5.危機から国民と国土を守る

ロシアによるウクライナ侵略により国際秩序が根底から覆される危機にさらされる中、中国の急速な軍備拡大、頻繁な領海侵犯、北朝鮮による我が国周辺への度重なるミサイル発射やロシアによる北方領土への新型ミサイル配備など、我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しています。このような厳しい安全保障環境を踏まえつつ、「戦争を始めさせない抑止力」の強化と、「自衛のための打撃力(反撃力)」を保持します。激変する安全保障環境に対応するため、日米安保体制をさらに安定的に強固なものにしていくことは、日本の安全のみならず、アジア太平洋地域の平和と安定にとって不可欠です。

日本の外交・安全保障の基軸である日米同盟を堅持・強化しつつも、米国に過度に依存し過ぎている日本の防衛体制を見直し、「自分の国は自分で守る」ことを安全保障政策の基本に据え、必要な取り組みを行ってまいります。

1)日米同盟

周辺諸国が核兵器を保有し、その投射手段であるミサイル開発を継続している状況を踏まえると、拡大抑止の実効性確保について具体的に議論していく必要があります。このため、現在行われている「日米拡大抑止協議(EDDExtended Deterrence Dialogue)」を局長級以上に格上げするとともに、成果について国民に説明するよう求めてまいります。

日米両国の信頼関係に基づき、平和安全法制の見直しや地位協定の見直しに加えて、非対称的な双務性を定めた日米安全保障条約の将来像についても日米間で議論を行います。米軍、軍人、軍属、その家族に対する国内法の原則順守、日本側の米軍基地の管理権などについて米国と協議します。利便性向上にもつながる横田、岩国空域及び管制権の返還を求めます。

軟弱地盤の問題もあり、期間や費用も大きく膨れ上がる辺野古の埋め立ては一旦停止し、沖縄の民意を尊重し、日米間で合意できる「プランB」の話し合いを行います。

2)国内の防衛生産・技術基盤の強化

主要な防衛装備を自国生産できる製造基盤の強化や新規参入の促進、研究開発体制の強化や防衛産業の育成・強化を目的とした一定の利益率の確保など防衛産業の活性化に取り組むとともに、防衛産業が抱える様々なリスクを軽減・排除し、装備移転の促進など販路の拡大に取り組みます。

3)領域警備

海上保安庁の体制を強化し、自衛隊やその他の政府機関との連携を深めます。海上保安庁の任務に領海警備を加える海上保安庁法改正、情報収集・警戒監視活動を明記する自衛隊法改正を実現し、いわゆるグレーゾーン事態への対処を強化します。

4)能動的サイバー防御

従来領域(陸、海、空)において不十分であった継戦能力の確保や抗堪性の強化を抜本的に見直して整備するほか、防衛技術の進歩、宇宙・サイバー・電磁波などの新たな領域に対処できるよう専守防衛に徹しつつ防衛力を強化するため、必要な防衛費を増額します。

サイバー安全保障を確保するために、我が国においても平時の段階からサイバー攻撃者の動向を探り、対処を行う能動的サイバー防御(アクティブ・サイバー・ディフェンス)について、能力整備と実施体制の整備を行うとともに、「サイバー安全保障基本法(仮称)」を年内に制定します。

情報収集衛星を質・量ともにレベルアップを図るとともに、イギリスのJIC※などを参考にしつつ、日本のインテリジェンス能力を高めます。

安全保障上の観点から、公共インフラやカーナビ情報等の実情について調査し、所要の対策を講じます。

Joint Intelligence Committee 合同情報委員会

5)固有の領土

尖閣諸島をはじめ、我が国の領土・領海・領空を守り抜きます。我が国の固有の領土である北方四島と竹島については、粘り強く交渉を続け、解決をめざします。

関係各国と緊密に連携し、北朝鮮の完全な非核化、ミサイル放棄を実現するとともに、拉致問題の解決を図ります。

6)イージスアショアの再検討とミサイル防衛の強化

ミサイル防衛体制を抜本的に見直し、あらゆる経空脅威に統合的に対応する統合防空ミサイル防衛(IAMDIntegrated Air and Missile Defense)能力を強化してまいります。この際、現在進めている「イージスシステム搭載艦」の有効性を検証するとともに、中止が決定された「イージスアショア」の配備についても再検討します。

7)自衛官等の処遇、勤務環境の改善

自衛官の処遇、勤務環境の向上、留守家族支援策の強化などに取り組むと同時に、退職自衛官の再就職支援の強化や若年定年退職者給付金の拡充を図ります。また、女性自衛官が更に活躍することができるよう、勤務環境の改善や子育て支援、育児後の職場復帰が円滑にできるような施策を講じます。

8)シェルターの整備

北朝鮮の弾道ミサイル発射や台湾有事に備え、避難施設やシェルター確保を進めます。また、想定される有事に対して効果的、効率的な避難訓練を実施します。

9)外国人土地取得規制

我が国における土地の取得・利用・管理をめぐる最近の状況に鑑み、総合的な安全保障の確保を図るため、防衛施設周辺以外も対象とした「外国人土地取得規制法案」の成立をめざします。

10)人権外交の推進

「対話と協力と行動」という基本的な考え方に基づき、普遍的価値を共有している諸外国と連携した人権外交に取り組みます。人権侵害行為を理由に、加害者たる個人や団体に対し、資産凍結やビザ規制などの制裁を行う「人権侵害制裁法(日本版マグニツキー法)」と、サプライチェーンの透明化などにより、日本企業をレピュテーションリスク(評判の毀損による企業価値の低下)から守るための「人権デューデリジェンス法」を制定します。

ロシアへの制裁措置への導入・拡充に関しては、G7を中心とする各国と連携し、IMF等多国間金融機関からの融資防止やロシアへの新規投資禁止等の措置を講じるほか、必要な外交努力を行います。

また、ODAのインフラ偏重を是正し、医療、教育、貧困対策等の民生部門を重視します。

11)グローバルサウスとの連携強化

「自由で公正な貿易秩序」と経済安全保障の両立に向け、ルールベースの国際貿易秩序の再構築、有志国との信頼できるサプライチェーンの構築、グローバルサウスとの連携を強化します。国際開発協会の増資(IDA21)の時期を迎えており、グローバリゼーションによる格差、気候変動災害、感染症に苦しむ途上国が深刻な債務危機に陥る前に、日本がドナー国会合における取りまとめをリードします。多くが自国優先主義に傾きがちな今だからこそ、日本が新たな国際秩序構築に顕著なる貢献をしていきます。

12)感染症対策強化

感染症法に基づき、感染力と罹患した場合の重篤性等の観点から危険性が高い感染症については医療機関の受け皿を拡大し、症状等に応じた役割分担と連携を強化して、医療崩壊の閾値そのものを上げます。次なるパンデミック等、有事を見据えた治療薬やワクチンの開発・生産体制を強化するとともに、パンデミック時の役割分担と連携等にかかる医療体制のあり方を整理したうえで、必要な法整備を含め、感染症に強い国づくりを推進します。平時の病床数に加え、感染症緊急時に対応できる病床にゆとりが持てるように診療報酬、介護報酬を改めます。医師・薬剤師・獣医師・保健師等の人材確保など保健所の機能強化に努めます。

6.地域活性化

1)新しい地方分権

地方自治体への権限・財源移譲を推進し、地域が自主性・独自性を発揮して切磋琢磨できる環境を整え、日本全体の底上げを図ります。地方創生臨時交付金を増額し、一括交付金を復活させます。国と自治体の「歳入比率55」を実現します。歳入比率「64」歳出比率「46」の矛盾を改善します。

住民自治を基礎とした「持続可能で活力ある地域社会の実現」のために、労働者協同組合法が円滑に施行され、広範に活用されるべく、全ての地方自治体における「協同労働」推進のためのプラットフォームづくり等に取り組みます。

❶企業版ふるさと納税の見直し

企業版ふるさと納税による地方創生事業について、企業による寄付によって公平性に疑義が抱かれないように透明性を確保します。また、ふるさと納税全体が本来の制度趣旨に沿った運用となるように取り組みます。

❷東京一極集中・都市集中の是正

  • 「移住促進・UIJターン促進税制」を創設します。防災・減災の観点も踏まえ、都市の機能分散を推進し、「UIJターン・移住促進」とシンクロさせます。
  • UIJターン希望者や女性・高齢者等を地方中小企業等につなぐマッチングシステムを創設します。
  • 地方都市シャッター街の利活用を進めます。地方都市シャッター街物件をスタートアップやリモートワークで利活用できる税制・マッチングシステム等を創設します。
  • 街づくりについては、歴史的建造物や景観の保持と調和する街づくりを行います。
  • リモート勤務者の地方在住に前向きな企業と、当該勤務者が在住する自治体を支援します。社員に占める遠隔地方勤務者の人数によって法人事業税等を減免するとともに、在住自治体には地方交付税算定上配慮します。
  • 人口密度に応じた法人事業税・法人住民税減免制度を創設し、企業や事業所の地方移転を推進します。当該減免措置による減収分は地方交付税算定時に考慮し、地方財源を補償します。
  • スタートアップ支援のため、起業支援税制・融資制度の整備、起業家教育の推進に取り組みます。ひとり親が起業する際には子どもの預かり体制など迅速に働ける環境を確保できるような必要な支援を行います。

❸暗号資産を活用したトークン・エコノミーの支援

Web3.0など非代替性トークン(NFT)を生かした経済を推進するため、暗号資産に関する税制と規制を見直します。

  1. 暗号資産(仮想通貨)を雑所得として課税するのではなく、20%の申告分離課税とし、損失繰越控除(3年間)を適用、
  2. 暗号資産同士の交換時には非課税、
  3. レバレッジ倍率を2倍→10倍に引き上げ、
  4. 暗号資産ETFの導入。

また、法定通貨である円を電子通貨化するとともに、地方自治体による、地域経済活性化に資する暗号資産「デジタル地域通貨(仮称)」の発行を推進します。

❹公共交通政策

公共交通は、地域住民の自立した日常生活の確保、地域間の交流の促進、環境負荷低減など、社会政策・環境政策などの側面も持ち合わせていることから、採算重視や民間任せではなく、国が責任を持って「公共交通ネットワーク計画」を策定し、国土の健全な発展をめざします。

「公共交通確保法」を制定し、地方では「公共交通確保条例」を制定します。地域ごとに、鉄道等どのような公共交通手段が確保されているかを悉皆調査し、公共交通弱者をなくします。

❺乗合タクシーの普及支援

低料金でドアツードアの乗合タクシー(デマンドタクシー)、コミュニティバスなどを、国の基準の見直しや予算措置で、強力に支援します。タクシーのない地域では住民委託制度を創設します。また、免許を返納した高齢者も活用できるように地域タクシーの補助を進めます。

eスポーツ振興による地域活性化

関連市場も含めて大きな経済波及効果があるeスポーツの振興や世界大会誘致などによる地域活性化を推進します。

2NPOなどに対する支援拡充

「新しい公共」を推進します。就労・起業、空き家等の遊休資産活用等を支援し、地域社会の課題解決と雇用創出を図ります。「難病の子どもの資金支援法(仮称)」を制定し、「○○ちゃんを救え」等の資金を提供した人に対して認定NPO並みの税の減免措置を検討します。発達障がい児・医療ケア児・身体障がい児当事者やその家族を支援します。

3)郵政政策

2012年に成立した改正郵政民営化法に基づき、利用者の利便性を高めるとともに、郵政事業のユニバーサルサービス維持・向上に努めます。特に、郵政事業に係る税制上の措置については、他の事業形態とのバランスも勘案しつつ、ユニバーサルサービス確保の観点から、さらなる検討を進めます。

手取りを増やす

スケジュール

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